eスポーツ通信 vol.2

eスポーツをいち早く一大ビジネスとして印象づけた周辺アイテム、ゲーミングチェア。世界的に先行したのは中国のメーカーだが、日本に舞い込んだ2018年「eスポーツ元年」を機に、福岡県の大川家具、佐賀の諸富家具がそれぞれ国内企画のオリジナル製品を次々に打ち出した。今回はチェアに留まらず、周辺商品を生み出し業界に一石を投じる「関家具」を取材した。(佐賀県eスポーツ協会事務局長 中島康晴)

 

頂きへの挑戦、再び

関家具のe スポーツブランド「Contieaks」は、コンテニュー(挑戦)とピーク(頂)を合わせた造語。もちろんプレイヤーを鼓舞する意味を込めているが、同社にとっても2010 年代初頭、一度失敗したゲーミング家具市場へ、情熱を持って再挑戦する意味を込めたという。中心となって開発を進めるeスポーツ課の山本課長(38)は、既存商品や他社製品などを徹底的に研究して考えうる機能と品質を追求した。プロレベルのプレイヤーにも満足していただける機能と品質」と自信を見せる。

業界最高品質を目指す

例えばContieaks は「家庭用」と「大会用」と、それぞれ使用シーンを想定してチェアを出している。モールドウレタンを使った高い体圧分散性に加えて「座面スリットを入れて座骨をサポートする作りにしました(山本氏)」。長時間の使用シーンに対応する座面構造を採用している。
家庭で配信などを行うプレイヤー向けのソフトな座面の「Roussel(ルセル、税込 32,780円)、しっかりした座り心地で大会などプロプレイヤー向けの「Eiger(アイガー、税込33,880 円)」。これらはプレイヤーから直接ヒアリングを行うほか、1万人超のフォロワーを持つブランドのツイッターアカウントで消費者と直接やり取りをすることが商品開発の大きな手掛かりになっているという。「手厳しいことを言われることもありますが、購入した方は精度の高い意見も届けてくれます。プレイヤーに近いメーカーでいたい(同)」。

スポンサード6チーム、国内ブランドの定番へ

そうした中で生まれたのが女性プレイヤーを意識したゲーミングチェア「Rosa(税込38,880 円)」。「これは色味を研究しました。既存のものは女性用はパステルカラーの” いかにも” 感があるものだけで、もっとスタイリッシュな色を、という注文があった」と山本氏。今ではContieaks ブランドの顧客の2割を女性が支えるという。さらにコンパクトなソファの形状をした「Square Sofa(税込16,800 円)」は構想段階からSNSで支持を集め、商品化に至った。最早、e スポーツを通じて家具業界で新たな創造が起きていると言っていい。関家具はまた、e スポーツのチームや個人をスポンサードすることで業界そのものにも貢献する。事業規模など、業務上の目標は当然ある中で、「国内のゲーミング家具と言えばContieaks、そういったブランド定着を目指したい」。九州から気を吐く。

PDFはこちらe-spo通信_2009 (1)

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