eスポーツ選手は勉強が出来るーすいのこ選手インタビュー

eスポーツ選手は勉強ができるー。世間一般のイメージとは逆説的なタイトルで業界の実態に迫った意欲的な著書を、九州出身の選手が今年8月に上梓した。何かに打ち込んだ経験はたとえ失敗したとしても、その後の人生を豊かにする。受験勉強での成功体験がeスポーツに活きるのと同様、eスポーツの経験もまた、次の経験に活きるー。ウェルプレイド株式会社所属「すいのこ」選手に伺った。(聞き手・eスポーツ協会事務局長中島康晴)

eスポーツ業界の各選手にインタビュー

すいのこ ゲームとの出会いは、祖母の家にあったファミコンの「マリオ」でした。幼い時でしたが、すごく楽しかった。ただ、親からはやっぱり時間を決められてました。こそっと隠れ隠れやりながらやってたのは多くの人と同じですね。本格的にやり始めたのは大学に入ってからです。任天堂の「スマッシュブラザーズ」シリーズを好きでやっていて、関東や関西に遠征に行くようになり、交友関係は全国、海外にまで広がりました。インターネット対戦が隆盛になり始めたのもその頃ですね。爆発的に増えていく人と人の繋がりが本当に楽しいと感じました。それから地元の焼酎製造会社を経て、現在のウェルプレイド社の社員、それから所属プロプレイヤーへと形態を変えて今にいたります。

ー自叙伝ではなくeスポーツ界の著名人インタビューという列伝形式の著書を上梓されました。

すいのこ そうですね、これは私が所属会社の定期発行媒体や動画で、執筆をしていたり人物紹介を行っていたことから、小学館で進んでいた企画の担い手として白羽の矢が当たった形ですね。元々、タイトルにもあるような「eスポーツプレイヤーの深い思考」については自分の近辺や、スマッシュブラザーズの界隈を見ていても確信を持つところがありました。それを形に出来るということで、自分にとっても御指名は幸運に思いましたね。

ー各選手の詳しいインタビュー内容は著書をぜひ読んでいただくとして…それぞれ印象はどうでしたか。

すいのこ ときど選手はそれこそ印象を大事にしている、今の自分にとって必要なものを常に意識しており、そのことを徹底しているという感じでした。体を鍛えるのは、年間に何度も海外遠征するから、それに耐えられるように体を鍛える、ということですが、それ以上にeスポーツ選手でも立派な人に見られるように筋肉隆々になろうとプロテインシェイカーを振りながらお話されたがのが印象的で。ネフライト選手は、自分の決めた目標をとにかく貫く人、ふぇぐ選手は…一番独特でしたが、時間のかけ方が異質でした。30時間やり込むなどは、自分にも経験がありません。

優れるのは「課題発見」能力

ーいや、すごい話ですね。3人に共通する点はありましたか。

すいのこ はい、これもぜひ著書を読んでいただきたいのですが、一言で言って「課題を見つけて、それを克服する力」に優れます。特に課題を見つける力というのは、本当に難しいものです。自分の場合は…例えばeスポーツの対戦における「攻めと守り」のうち「守り」に自信があるとするじゃないですか。そしたら、守りに関する課題は、自然に自分の中で浮かぶと思うんですよ。でも「攻め」はそもそも得意じゃないから課題なんか浮かばない。そういう時は人に意見を求めたりしますよね。そうやって何とか課題を見つける術を各プレイヤー知っている感じでした。

ー人に意見を求めないと成長できない時点で、もはや受験勉強より高度かもしれませんね。

すいのこ そうですね。学校の勉強は答えがあることが決まっていて、点数などで自分の弱点が可視化もされる。しかしeスポーツは課題も答えも全く見えない中で成長していかないといけないわけですから。

ー逆説的に高学歴プレイヤーはまず可視化される中で課題を解決した、その経験を今eスポーツに活かしていることは考えられますか?

すいのこ それは言えると思います。まさにときど選手なんかは初めそうした感覚で取り組んであったようにも思いますね。

ーそうすると、eスポーツプレイヤーを目指されるお母さんたちはまず「プロになりたかったら学校の勉強くらいチャチャっとやってみなさい。それがきっと役に立つよ」と言えるかもしれませんね。

すいのこ まぁそうですね(笑)。まぁ言っても初めはゲームですから、家庭のルールの範囲で遊ばせる、でいいと思うんです。でももし「大会に参加したい」、ひいては「プロになりたい」と言って来たら。そんな意思をお子さんが明確に示して来たら、その時はぜひお子さんと向き合っていただけたらなと思います。

ーありがとうございました。

 

すいのこ選手

1990年、鹿児島県生まれ。本名・桑元康平。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2017年に上京、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド株式会社に企画職として就職。2019年5月より、同社のスポンサードを受け、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動中。

 

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